問いに答え、綴ってみるシリーズ4本目。先日、質問BOXにこんな趣旨の質問を頂きました✨
Q.話を聴く時に心掛けていることや、コツはありますか?
聴くコツ、ですね!対話の目的次第で、それはもうたーくさん、あります!私の場合は、仕事柄「聴くことそのものが仕事の大半」、みたいなところがありますのでね。いやはや、これはいくらでも語れそうなテーマ。ご質問嬉しいです^ ^
さて、目的次第と先程書きましたが(※ちゃんと読んで=聴いてました?笑)、ご質問者様・そして読み手のあなたは、普段何のために人の話を聴いているでしょうか?
聴き方のベクトルを決めるのは、場とその目的です。コーチングや1on1の場で傾聴するシーン、開発MTGで意見を出し合うシーン、休憩時間にちょっと雑談をするシーン…。その場の目的やご自分の役割が違えば、当然、耳のそばだて方も全く違って来ますね。
■長岡版・聴き方のコツ
私の仕事は「思考の伴走」ですから、そのための個人セッション等では深く・精緻に・そして大きく聴きとることを心掛けています。もう少し具体的に列記してみます。
まずは【姿勢・態度】面。
■興味津々に聴く
これは心掛けというより、仕事上当然と言えば当然のことなので意識してやっていることでも最早無いのですが、関心の無い人に誰も話なんてしたくないですからね。
こうして書いてみて思いましたが、私の場合、基本的にどんな時でも「人の脳内」「思考」やその構造にもの凄く興味があるんですよね^ ^。だからこういうことを仕事にしているとも言えますし、常に”何でも来い”マインドでもあり、話を聴いて動じる、みたいなこともほぼ起きない。クライアントさん達はこの「聴き姿勢」を感じ取って、自然と深いところから言葉を紡いでくださっているのかもしれません。
■判断を適切に保留する
私の役割は「整理」や「構造化」、「翻訳」や「チューニング」が主であって、「アドバイス」とか「意見」がメインになることは少ないんですね。なので、相手側から出力される膨大な情報に関して、細切れにジャッジメントし過ぎることを敢えて避け、最終的な形(言葉や解釈)に落とし込むまでは一旦自分の中でそのまま留保するようにしています。これは、ファシリテーションの立場なんかで特に役立つコツの一つですね。
次に、【認知】面。
■分けて聴く(起きたこと/解釈 etc.)
聴くことを仕事の内に入れる立場として基礎基本ではありますが、「出来事や事実、起きたことを説明しているのか」「それに対する感情を吐露しているのか」「解釈を話しているのか」など、絡み合った糸をほぐすように、相手の話を分けながら、聴いています。…基礎基本とは書きましたが、メタ認知の鍛練が相当必要な部分のため、対人支援系の専門職でも無い限り(いや、専門職の方であっても。苦笑)、高速で仕分け続ける知的体力を持っていないと、簡単に崩れてしまうポイントのように思います。
■「最初」と「最後」に出る癖を掴む
言葉の入りや終わりって、その人の個性がふんだんに現れている箇所の一つだと思うんです。エクスキューズが異様に多いとか、語尾を濁し責任の所在を曖昧にするとか、会話のラリーの引き渡しが苦手とか、その他様々に。とくに同じ方の話を複数回・長期にわたってお聴きする際は、このあたりの「話し方の手つき」に注目してみると、また一段その方の理解に繋がり、深く精緻に聴けるように思います。
■癖や手つきを理解&予測し、同時に「今」に集中
一つ前の項目とも関連していますが、癖や手つきや文化を理解することは、同時に相手の出方を「決めつける」ことにも当然繋がります。世間ではこういうことを良くないことだとする流派みたいなものも多いですが、私はむしろ積極的にお相手の癖を予測するよう心掛けています。「これまでもそうだったから、今回もその確率は高いな」と。ただし、「今回は別のパターンが生まれる可能性が常にあるぞ!」と、予測もしつつ、全く同時に今ここの相手の話やその出方の一回性を注視する感じ。このバランス感覚は、聴くことを職業にしている玄人さん向けに参考にして頂けることが多いです。
最後に、【目的】と【協働性】の面。
■自分の役割/相手のニーズを明確にする
冒頭の「場と目的が聴き方のベクトルを決める」という話に関連することですね。課題解決がしたいのか、愚痴を吐き出したいだけなのか、一緒に解をつくり上げるシーンなのか、壁打ちの時間なのか…。「私たちは”誰”で、そして”どこ”へ向かうのか?」を、会話のラリー中何度でも言葉にし、共に確認します。混乱時や容量オーバーの際など人は簡単に目的を見失いますから、非言語情報である「会話の方向性」「場のベクトル」にこそ、耳をそばたてるよう意図しています。
■自分に起きた感情や疑問を、対話の素材に活かす
私の役割は「ただ聴いて、終わり」という人ではありませんから、相手方との共同の目的に向かう道程で自分自身の内面に湧くものもまた、素材として大いに活用します。多くは質問として投げかけることになるか、ご本人の内観に繋がるよう、あえて他者事例として感想を伝えたり立場を表明することが多いです。どんな事業や活動のシーンでも、「聴くことだけ」を目的とする場の方が少ないと思いますから、この点は多くの方に応用のきく分野かと思います。
私なりのコツは、ざっと、こんな感じでしょうか。
■聴き下手さんとは。
さて、仕事や活動面で(日常的にもですが)、あなたが「うわぁ、この人、全然こちらの話を聴いてくれていないな…。」と感じる時って、どんな時でしょう。あなたはその時、何が気になっていそうでしょうか?よければ1つ2つ、事例を思い浮かべてみてください。
思うに、他者の聴き方に不足を感じるケースは大抵、何らかの「ズレ感」(論点のズレ、解釈のズレetc.)を感じているか、「自分の話ばかりされる感」のどちらか・または両方を感じるのではないでしょうか。(※あとそもそも「聞く気が無さそう」というケースもありますが…。)
このように感じさせる、いわゆる「聴き下手さん」の特徴を一言で言うと、「注意が自分に偏り過ぎていて、相手不在の状態」だと考えます。特徴をいくつか例に挙げてみますね。
まず話の捉え方の癖として、
■つまみ食い
相手の意図を汲み取らず、自分基準で関心がある部分や反論しやすい側面だけを切り取る
■独自理解
相手の背景や意図を保持できず、自分の経験に当てはめて理解した“つもり”になる
などが挙げられます。いずれも話し手の意図とはピントがズレますから、「論点が違うんだが?」とか「ん?そこにフォーカス当てるんだ…?」とか、「なぜそんな話になった?」や「ご、誤解されている…?」などなど。得てして会話のラリーが非常に難しい状態を生みます。
聴き下手さんが人の話を聴いている最中の内面も特徴的で、
・同意や共感ポイントばかり探している
・正解や否定などジャッジに忙しい
・次にどう返すか?にばかり意識が向く
・自分の感想や想いでいっぱいになる
などなど、色々なパターンがありますが、総じて自分に関心のベクトルが向き過ぎており、湧き上がる「自分の声」ばかり聴いていますから、聴きムラが非常に多い状態です。こんなにも頭の中が自分の声でうるさくて、相手の話を真っ当に聴くことなど出来ませんね。
上記のような話の捉え方や内面状態で、聴く技術の基礎「分けて聴く」にリソースを割くことなどほぼ不可能ですから、こうして「聞きたいことだけ都合よく聞く」状態が生まれるわけです。(※私含め多くの人の”耳が痛い!”はず^ ^👂)
結果的に、
・聴き終わる前に、食い気味に話し始める
・自分語りの会話泥棒
・求められていないアドバイス過多
・一方通行なやり取りで終わる
といった、不毛な現象が起きやすい。十分に聴いていないのですから、「やり取り」「コミュニケーション」にすらならないわけです。
■聴き方の、高め方。
もちろん、「聴き上手=正義」ではありません。あまり人の話を聴かずに突き進む人の方が、時として強い主張で時代を引っぱって行ったり、未知を切り拓く突破力を持っていたりするものです。対話よりも「断行」が必要なフェーズでは、細やかに聴かないことが機能する場合すらあります。だからこそ、「どう聴くか」はいつも目的から考える必要がある、ということ。
ただもし、質問者様やこれを読むあなたが、人の声を丁寧に聴きとって、他者存在と呼応しながら何かをクリエイションしていきたいと願うならば、自分の「聴き癖」を理解し、伸ばしてみる挑戦を楽しんでみるのも良いですね✨
全てを・正確に・的確に聴く、なんて無茶な目標設定は不要です。ご自身の役割によって、「聴き方」を少しブラッシュアップしてみることをおすすめします。
Q1.あなたの役割において、最も「聞き逃したくないもの」って、何でしょう?
Q2.それをより丁寧に掬い上げるために必要なものは?
Q3(※応用).もし、あなたの「聞き上手度合」が高まることで、誰かの喜びや何らかの創造に発展するとしたら、それは具体的にどんなこと?
私自身、「聴くことの技芸」は今後も生涯かけて深く向き合い、練り上げてゆきたい分野の一つです。私なりの心掛けやコツが、何か1つでも参考になれば幸いです。(おわり)
*このコラムは、ここ数年の自分自身の「飽和感」「頭打ち感」を脱したいがために、好みのスタイル(個の問いに答える)に終始するでもなく、かと言ってハウツー的に道具化するでもなく、「一つの問いに応答し、語る」ことに挑戦しようと綴り始めたコラムです。お読みになって理解に苦しむ部分やご指摘などありましたら、ぜひコメントをお寄せください^ ^
▼質問・リクエストBOXはこちら📮
「こんな質問ならどう答える?」「こんな感じの内容で書いてみて欲しい」等、リクエスト頂けるととても嬉しいです!(※お名前不要)
