M.nagaoka’s notes

~ Treat yourself, well ~

1.始まりは終わり。終わりは始まり。 - 「知りたい」と出会い直した日

「こんなに『知りてぇ!!!』が爆発してる人って、稀だよね。」

2020年だったと思う。当時一緒にお仕事をしていたビジネスパートナーさん(※とんでもなく頭が良い)のふとした一言に、私は「???」と疑問符で反応した。

自分に対する描写を投げかけられたはずなのに、え、誰のことデスカ?は、え、ワタシ?という意味での、疑問符返しだ。

「え…っと。私がこれまで色々勉強しに行ったり本を読んだりしてきたのって、自分が生きづらかったからで。どうにもこうにもならなかったからで…。何かを"知りたい"というよりも、”自分が救われたい”、みたいな…?」

モゴモゴと返答しながら、その返答自体にどこかしっくり来ていない感覚にも気がついていた。

2012年の末にふとした事故がきっかけでそれまで押さえ込んでいた生きづらさが噴出した私は、2013年の自分を「心の1年生」とひっそり呼び、手探りで様々な学びを重ねて来ていた。その時既に「心の8年生」(中2笑)。
その間、好きだった会社も辞め無謀にも心理分野の講師業で独立もしていた。それでも自分が一体何をやっているのか、どこに向かっているのか、うまく説明することができなかった。

多くの人が、きっとどこかこんなふうだろうとも思う。自分とは、事後的にしか発見されないものだから。

人はあまりに真っ直ぐにそうだと思い込んでいることは、普段意識に上ることも無い。私はそれまでもう何年も、もはや息をするように様々な学びを重ねて来たことを、「自分が生きづらいから、自分をなんとかするために、勉強をしている。」と理解していたし、そしてそれを、どこかほんの少し「よくないことだ」と解釈していたように思う。自分がこうでさえなければ、本当は必要が無いことを、無駄なことをわざわざ必死にやっている気がしていたし、その分、もっとやるべき”素晴らしい何か”をしていない気さえしていた。

彼女の描写の、一体何に自分が驚いたのか?私が自分自身に対しての、とても微細な、そして重大な”認識の違い”を掴むまで、少し時間が必要だった。

いつもそうするように、未消化なフレーズをノートにメモして、しばらく何度も何度も、繰り返しそのことについて考えた。そして、はたと気が付いた。

「・・・そうか・・・!私は物心ついたあの頃から、ただ、【知りたかった】んだ。つまり、【理解したかった】んだ。どうして生きることはこんなにも大変なのか、自分に何が起こっているのか、人間とは一体全体、何をやってるのか。それは救われる”ため”でももちろんあったけれど、もっともっと大きな、無目的な目的。根源的な、知的欲求。【ただ、知りたい】。…なんと…!!!それだけだったのか…!!!」

息をのんだし、

拍子抜けした。


■人間存在を(自分なりに)理解したい。

このとてつもなくバカでかすぎて無謀とも無意味とも取れる、完遂しきることの決して無いテーマを自分の内側から取り出せた時の感覚を、私はとてもよく覚えている。

嬉しい、とも、喜び、とも違う。音にすると「…スン」。だ。

ああ、終わったんだな。と思った。

それまでの長い長い旅路が終わりかけていたことには、もう十分気が付いていた。恐怖から逃れることや欠落感を埋めることを目的に始まっていた幼い頃からの一つの旅が、もう本当に、終わったんだと思った。

これは結構、意外な終わり方だった。

欠落感を埋める日は来ないだろうと思っていた時期も長かったし、それが薄らいだ後も、自分の掴みたい何か(それが何かすら分からない)を掴み切ったと思える日はきっと来ず、きっと皆そういう状態で一生を終えるものなんだろうと思っていた。

私の長い旅(あえて名付けるなら人生の前半。自分救済の旅。)は、「終わることのない、探究テーマ」の明確なスタートとともに、終わった。

そしてそれは全く同時に、連綿と続いていた、終わらない旅路の発見でもあった。

 

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この「探究録」は、私のカオスな脳内を整理してみるための内的プロジェクトである。

…書き始めたは良いものの、器用な人なら誰でもさらりと通ることのできるであろうことを、おぼつかない足取りであちこちフラフラしただけの旅路を整理し公開して、一体何になるんだろうとも真剣に思っている(笑)
どんなこともそうであるように、何かを学べば、それについての専門家やオタク(笑)がわんさかいて、一庶民?がちょっと本やセミナーで勉強したからと言って、何かを語り尽くせるということもないし、そしてその内容と個人の幸福感とは一切関係ない。

なのでこれは、何か高尚な知識や、便利なお役立ちノウハウを提供する文章ではない。けれど、縁あって読んでくださった方ご自身の、ごくごく内的な探究プロセスと共鳴するところがあれば、とても嬉しい^ ^

 

 

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*noteからの転載です